インプラントの歴史

インプラントの歴史は、1956年、ブローネマルク教授によって、スエーデンの研究室から始まりました。

うさぎの骨髄を顕微鏡で観察していたところ、うさぎの骨がチタンという金属と、くっついていた事に気づいたのです。
他の金属ではあり得なかった状態であったため、ブローネマルク教授は「チタン金属と骨は癒着する」という事実に、着目したのです。

通常、体の中に異物を入れると、免疫細胞が異物と認定し、体の外に排出しようとします。

しかし、チタンには「生体親和性」というものがあります。
骨や結合組織と接触しても体の細胞がその上に増殖することができるのです。
チタンにのみ、免疫 機構が自分の体の一部のように植わっているのです。
しかし、いったいどうして人間の体にとって異物である、金属の人工歯根(インプラント)が体に受け入れ られ、自分の歯のような感覚で使えるようになるのでしょう?
それは人工歯根が、ただ単に骨に植えられてるのではなく、チタンの膜を覆っている酸素分子を通して、顎の骨と強く結合し、まるで生きた骨として取り込まれ、安定した状態になるからです。

また、ブローネマルク教授は、他の実験の中から軟組織(歯ぐき等)にも反応が良く、生体への拒絶反応がないということも分かってきたのでした。
そのことから、教授は様々な医療現場への応用に使用出来るのではと考え、動物実験を重ね、十分な研究結果データがそろった上で、1965年に人間の治療を開始しました。

ブローネマルク教授らは、その後15年間に渡って、371名の患者さんに、2768本の臨床研究を重ね、その結果を1981年にトロントで、世界に向けて学術発表をされました。
その研究結果の成功率の高さ、しっかりとした科学的裏づけにより、世界にインプラントが広まっていったのです。

このように1980年代に骨結合型インプラント(オッセオインテグレーションインプラント)のコンセンサスが確立されました。
1998年以降は、EBMに基づいた患者さまの高いQOLに満足するインプラント治療(機能と高い審美性の回復)が導入されました。
今後は患者さまのQOLを考慮した治療期間を短くする早期負荷システムについてのガイドラインが示されるのではないかと思われます。

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