インプラントの失敗例

     

    インプラントが骨と結合しない(ぐらつく・脱離した)

    インプラントの失敗例として比較的多くみられるのが「インプラントを埋めたけれども、骨とうまく結合しなかった」というものです。
    インプラントが骨と結合しない原因はいくつか考えられますが、ほとんどの場合は再度手術を行うことで、しっかりと結合させることが出来ます。

    骨が硬かった場合

    元住吉(川崎市)の歯医者でインプラントの失敗リスクの紹介

    骨の硬さは一般的には骨密度で表され、骨密度が低い骨は柔らかく、反対に骨密度が高い骨は硬くなる傾向があります。

    インプラントを埋入する際には、顎の骨に一定の硬さがある方がインプラントの定着が良く安定させることが出来ますが、骨の硬さがあまりに硬すぎると、インプラントと骨を結合させるために必要な血液を充分に供給することが出来ず、インプラントが骨と結合できないといったケースも稀におきます。

    この場合は、再度新しいインプラントを埋めなおすと大抵の場合は結合することが出来ますが、再度手術が必要となりますので患者さまの負担は大きくなってしまうでしょう。
    事前にCT撮影をすることで骨の硬度はわかりますので、診査診断をしっかりと行い、必要に応じて対策をすることがポイントとなります。

     

    骨を削るドリルによるオーバーヒート

    元住吉(川崎市)の歯医者でインプラントの失敗リスクの紹介

    インプラントの手術では、インプラントを埋め込むためにドリルやその他の切削ツールが使用されますが、これらのツールの摩擦や運動により発生する熱が適切に冷却されないと、インプラント周辺の骨や組織が火傷を負ったような状態になりオーバーヒートを起こす可能性があります。

    周辺の骨組織がオーバーヒートにより損傷してしまうと、骨とインプラントの結合が悪くなり、最終的にはインプラントが安定せず、治療の成功が阻害される可能性があります。
    ドリルの回転が速すぎる場合や、硬すぎる骨を無理に削った場合にもオーバーヒートを引き起こすことがあります。

     

    細菌感染を起こしてしまった

    元住吉(川崎市)の歯医者でインプラントの失敗リスクの紹介

    インプラントの手術中や手術後に細菌感染が発生すると、顎の骨とインプラント体の間に炎症が起き、痛みや腫れ、膿が出るなどの症状が現れます。
    さらに感染が進行すると、インプラントが安定せず、周囲の骨や組織が損傷され、最終的にはインプラントの喪失につながる可能性があります。

    細菌感染の原因としては、手術中の感染対策や、インプラント治療前に十分な歯周病管理が行われていなかったために既存の歯周炎から細菌が感染源となり、新たなインプラントが感染していったこと、また、患者さまの免疫機能が低下しているために細菌感染への抵抗力が弱まっていたことなどがあげられます。

    また治療後も、メンテナンスを怠ると「インプラント周囲炎」という歯周病と同じような症状になってしまいます。

    歯周病の場合は、歯ぐきが腫れたり痛み出たりといった自覚症状がありますが、インプラント歯周炎の場合は、痛みも歯の動揺もないので気が付いたときには症状が進行してしまい、最終的にはインプラント周囲の骨が溶けてなくなりインプラントが抜け落ちてしまうといったリスクがあります。

    →インプラント治療のリスクの高い人について
    →インプラント歯周炎について

     

    全身疾患のある方や、喫煙者などの治療リスクの高い方

    元住吉(川崎市)の歯医者でインプラントの失敗リスクの紹介

    全身疾患のある方や喫煙の習慣のある方などは、体の免疫力が低下していたり、薬の影響で細菌感染が起こりやすい状態にある場合があります。

    全身疾患のある方で服用しているお薬のある方は、事前に必ず歯科医師に報告するようにしましょう。

     

    蓄膿症(副鼻腔炎/上顎洞炎)を起こした

    元住吉(川崎市)の歯医者でインプラントの失敗リスクの紹介

    蓄膿症(副鼻腔炎/上顎洞炎)とは、鼻の奥に位置する上顎洞(上顎副鼻腔)と呼ばれる、鼻腔と繋がった空洞で炎症が起きることを言います。

    鼻の側面や口の上方には前頭洞、篩骨洞、上顎洞、蝶形骨洞という四つの副鼻腔が存在しますが、その中の一つである上顎洞が炎症を引き起こしやすく、鼻詰まりや膿、せきや痰のほか、鼻の奥の違和感や頭痛といった症状が現れることもあります。
    上顎洞は上の歯の奥歯の歯根先端近くに位置するため、上顎奥歯にインプラント治療を行う際には上顎洞炎発症の危険性があります。

    インプラントを安定させるためにはインプラントを骨に深く埋め込む必要がありますが、その埋め込む手術の際に上顎洞の粘膜を傷つけてしまったり、破いてしまったりすることで炎症を引き起こしてしまうのです。

    これらのリスクを排除するためには、上顎にインプラントを埋入する際には事前に3D画像診断(CTスキャン)を行い骨の量や質、上顎洞の位置などをより正確に把握したうえで、安全かつ確実に治療を行うことが出来るシミュレーションガイドを用いて手術を行うことが推奨されます。

     

    痛みや腫れ、しびれなどの症状が継続している

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    インプラント治療は歯茎を切開して顎の骨を削るため、術後に痛みや腫れが生じます。痛みの程度は個人差があるものの、一般的にはインプラント手術後1週間程度で落ち着く場合がほとんどです。
    しかしながら、痛みが徐々に強くなる場合や、長く続く場合は何らかの問題が起きている可能性があります。
    特に下顎の奥歯にインプラントを入れた後、痛みや腫れ、痺れなどが治まらない場合、「下歯槽神経」を傷付けてしまったことが原因かもしれません。

    下顎神経とは、下顎の骨の中を通る下歯槽神経の管で、この管の中には下歯槽動脈、下歯槽静脈、下歯槽神経といった大きな血管や大切な神経が入っています。
    インプラントを埋め込む際、誤ってこの下顎神経を傷つけてしまったり、圧迫してしまったりすると、痛みや麻痺、痺れなどといった症状を発症させます。

    厚生労働省が発表した資料によると、インプラント埋入手術における下歯槽神経麻痺の発現率は0.13~8.5%とのこと。この数字には一時的な麻痺も含まれると考えられていますが、発現率のデータを見ると決して低くはない身近なリスクも言えます。
    麻痺などが生じると、回復まで長期間を要することやそのまま残ってしまうこともありますので、手術前のCT撮影による精密診断、安全かつ確実に治療を行うことが出来るシミュレーションガイドを用いてのインプラント手術は必須といえます。

     

    人工歯が破損する・外れる

    元住吉(川崎市)の歯医者でインプラントの失敗リスクの紹介

    インプラントは適切に治療を行い、メンテナンスを続ければ、天然歯と同じような感覚でご利用いただくことができます。
    ですが、インプラントはあくまで人工物であり、天然の歯にはある「歯根膜」と呼ばれるクッションの役割をする膜がありません。
    歯根膜があれば、強い力で噛み込んだ時に痛みを感じ、それ以上噛み込まないようにセンサーが働くのですが、インプラントにはこのセンサーが備わっていないため、噛み合わせの力が強くかかりすぎてしまう危険性もあります。
    その結果、特にもともとの噛み合わせが悪い方、歯ぎしり・食いしばりのある方の場合、人工歯(被せ物)が外れたり破損してしまう可能性もあります。

    こういったトラブルを回避するには、一つの歯にのみ過度に力がかからないよう、全体の噛み合わせを調整してあげる、ナイトガード(マウスピース)によって歯ぎしり方はを守るといった対策が必要です。

     

    頭痛や肩こりがひどくなった

    元住吉(川崎市)の歯医者でインプラントの失敗リスクの紹介

    インプラント治療後に頭痛や肩こりがひどくなったという場合、インプラントを入れたことで噛み合わせに問題が生じてしまったということも考えられます。

    インプラントに取り付けられた人工歯が高すぎたり噛み合わせがあっていなかったりすると、顎にズレが生じ、首筋の緊張や肩こり・頭痛を引き起こすことがあります。
    その場合は、治療した部分に異常はないか、インプラントの状態や口腔内の状態を確認したうえで、人工歯の噛み合わせの調整を行うことで症状も改善されます。

    しかしながら、頭痛や肩こりの原因が噛み合わせではなく、インプラント手術による精神的なストレスの場合や、上顎洞炎によるものの場合もありますので、原因の特定も含めてしっかりと検査してもらうことが重要です。

     

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